【実体験から考える】ブラック企業とカルト宗教のマインドコントロールはほぼ同じ
私は新卒で映像制作会社(スーパーブラック企業N)に入社しました。
私は3ヶ月で辞めましたが、その後にNHKでオウム真理教の特集番組を見ました。
そこで見たマインドコントロールの手法が、
ブラック企業のそれとそっくりだったので、ブログにまとめてみます。
カリスマ(笑)
ブラック企業における社長(創業者であることが多い)。宗教における教祖。
これらに共通するのがカリスマ性というやつです。
良く言えば、カリスマ性とは人をその気にさせる能力。
悪く言えば、逆らわせずに自分の言ったことを信じ従わせる能力です。
私がいた会社の社長はまさにこのケースでした。
ほとんど会社には来ないくせに、イケメンで背が高く、話やパフォーマンスだけは洗練されていました。取材などがある時はここぞとばかりにしゃしゃり出て、社員が血反吐を吐きながらやった仕事も、まるですべて自分の手柄かのように話していました。
ワタミの創業者、渡邉 美樹はこれの典型的な例のように感じます。
周囲との接触を断つ
洗脳の基本です。人間は家族や友人などまともな人が近くにいると、自分の環境との比較から異常さに気が付きます。
オウム真理教の場合は、出家による山奥での共同生活。
※私はありませんでしたが、それこそ山奥で泊まり込みの研修をすることもあるとか。
どちらもプライベートの時間がなくなり、自分が置かれている状況を冷静に理解することができなくなります。
また、家族や友人と疎遠になり、会社や教団だけが自分の居場所になった時に、
人がそこから抜け出す決断をするのは、容易いことではありません。
これは、会社に長く勤めていた上司を見て強く感じました。冷静さを失い考え方が体制側へとシフトします。異議を唱えようものなら、連合赤軍ばりの総括を求められます。
十分な睡眠をとらせない
オウムに限らず、宗教では寝ないでする修行というのが結構あります。
ブラック企業は仕事と言う名の修行により睡眠時間を奪っていきます。
睡眠時間を削ると、人間はますます壊れていきます。
宗教の場合は睡眠不足による一種のトランス状態に意味を持たせたりします。
ブラック企業の場合は、睡眠不足によるミスや生産性の低下を批判し、人の自信を失わせていきます。自信を失ったところに新たな価値観を植え付けるのです。
これがまさにマインドコントロール、洗脳(ブレインウォッシュ)なのです。
「みんなだって眠いのに頑張っている」「出来ないのは意識がたりないから」
などと、わけの分からない事を言います。
しかし、人間は睡眠不足でおかしくなっていると、思いの外簡単に
「そうかもしれない……」と思ってしまうものなのです。
自己批判せよ!
これは宗教というより、連合赤軍っぽいです。
ある意味では、行き過ぎた共産主義も宗教と呼べなくもないですが。
他の信者や、仲間の前で自己批判をさせます。これは睡眠をとらせないことと同じで、
人の自信やプライドを破壊していくことになります。
ブラック企業の場合は、朝礼などでの吊し上げがこれに当たります。
大抵の場合は自己批判では済まずに「総括せよ!」となります。
地位を与える
オウム真理教などでは様々役職、また修行の度合いによってもランクがありました。
ブラック企業でも、意味のない肩書や役職をやたらと与える事があります。
これには帰属意識を植え付ける効果があります。
周囲との関係性を失ったところに、地位や役職を与えて評価するのです。
そうなれば、人はこれを幸福で組織にとって自分は欠かせないのだと考えるようになっていきます。また組織内で権力を身につければ、人は保身も兼ねて体制を維持しようとします。
脱会するのが大変
カルト宗教や危険な組織を抜けるのは大変です。ひどい場合は殺されます。
ブラック企業はたぶん殺されはしないものの、会社を辞める際に苦痛を与えてきます。
私は辞める時に「どうせ外でもやっていけない」「お前は本当に根性がないやつだ」
みたいなことを散々言われました。
実際には、会社にいたときよりも稼いでいるし、どうにかやっていけています。
これらのことを善意あるいは正義だと思っている
これこそが、カルト宗教とブラック企業との根本的な共通点です。
既に洗脳された人たちが、悪いことをしているという自覚がない中で、これらのことを行っています。悪意がないから良いのではなく、悪意がないことがよりたちが悪いのです。
女性の方がどっぷりはまる男は体制に染まる
これは私の経験によるものです。差別的な意図はないことを言っておきます。
私がいた会社では、長く勤める女性がいちばんたちが悪い傾向がありました。
会社のやり方や正しさを、疑わずに信じ、それに馴染めないものを容赦なく糾弾していました。
男性の多い環境で、地位を確立した女性であることが、そうさせたのかもしれません。
男性の場合は、体制に逆らわないほうが楽だし、得だと考えている傾向がありました。
ぽろぽろと会社への愚痴を言いながらも、大っぴらには決して批判をしませんでした。
中には完全に壊れていて、気分次第でパワハラまがいの説教をしてくる、どうかしている人もいました。
男女それぞれで、傾向は違うものの、マトモではないということは同じです。
オウム事件やあさま山荘事件の容疑者達にも、私はこのような傾向を感じます。
とにかく逃げろ
現在、ブラック企業にいる特に若い人はとにかく早く辞めたほうが良いです。
自覚はなくても、これを読んでアレ?と感じたらよく考えてください。
体や精神が壊れてからでは遅いのです。
余裕があれば、タイムカードのコピーやパワハラの録音もしておくと良いでしょう。
あとで、残業代請求や労働基準監督署に相談するのに役立ちます。
しかし、実際の所は追い込まれている人間にそんなゆとりが無いのが現実です。
どうしようもない時はさっさと逃げましょう。時として逃げることは必要です。
それは、甘えや、根性がないのとは違います。戦略的撤退です。
責任感が強い人は自分の力で組織を変えようとするかもしれません。不可能とは言いませんが、人生を無駄にする可能性が高いと思うのでおすすめしません。
私自身も大学の時の恩師に、「本当にどうしようもない時は逃げていい」と言われたことがとても支えになりました。そういう言葉が届くうちはまだ、まともでいられているという証拠でもあります。
腐った組織はどれも似ている
しかし、腐った組織というものは似てくるのです。
それは、そうしなければ組織そのものを維持できない脆弱性があるからです。
こういったものには近づかないようにしたいものです。
また、もともだった組織が変質していくこともあります。
そのような場合は特に内部にいて、一定の地位にあると変化に気がつけないものです。
組織やチーム、大きくは国などを愛するということは、それ自体の考えや、やり方を盲信することではないのです。
学校のいじめにもいえますが、自分の居場所をなるべく複数作ると良いです。
一つの組織や環境に依存することは、冷静さや客観性を失うことになります。
あとは本能に従ってください。体や精神は正直です。おかしな環境にいれば、おかしくなります。